ものすごい題名の映画ですが、れっきとした原作ゴーゴリ、1967年のソビエト映画です。
但し、もしこの映画をジャンル分けするとすれば、ホラーコメディ映画と言ったところでしょうか。

物語は中世のキエフの修道院。
この修道院、規律とか静寂とは全く無縁で、「これが神学生?」と驚くほどガラの悪いムサ苦しい青年たちがヤギを校長先生呼ばわりにしてイジめている、どうしようもない場面から始まります。
やがて彼らはクリスマスのため、各自、里帰りを始めます。その途中でムサ苦しい学生の一人、ホマは醜い箒に乗った老婆の魔女に遭遇、魔女と争っているうちに魔女を瀕死の状態にしてしまいます。息も絶え絶えな魔女は突然、若い美女に変身します。恐ろしくなったホマは修道院に逃げ帰ります。
修道院に戻ると、コサックの頭領から娘が死んだので三日三晩祈祷をして欲しいと依頼が入ります。他の学生はみな帰省中なので一人残っていたホマが祈祷に行くことになります。
慄きながら、でも適当に祈祷をあげていると、死体の入った棺桶の蓋が突然開き、死体が起き上がります。それは昼間見た、あの魔女の美女でした。

棺桶から起き上がった死体を見たホマは慌てて自分の周りに聖なる円を描きます。
聖なる円の中は見ることも触ることもできない魔女は棺桶ごと辺りを飛び回ったりしてホマを探しますが、見つけることができません。
この美女、ナターリア・ヴァルレイという人で、ボリショイサーカスの団員だったところをこの役に抜擢されたそうです。アクロバティックな動きを楽々こなしているのも、さすがサーカス出身の成せる技です。
さて、一晩目はニワトリが鳴き朝になると、死体は元通り棺桶に戻り何事もなかったかのように元の場所に戻って行きました。教会の扉を開けた村人たちはホマが生きているのを見てびっくりします。
二日目の夜、前夜のように棺桶から出てきた魔女はホマを探し始めますが、聖なる円の中のホマを見つけることができません。仲間の魔物を呼び寄せますが、この晩も聖なる円の中のホマを見つけることはできず、朝が来ると魔女は棺桶、魔物たちは土の中に戻って行きました。
最後の3日目の夜、魔女は昨晩よりも更にたくさんの死体の魑魅魍魎を呼び寄せます。壁や床からいろいろな魔物がわらわらと湧いて出てくる様子は怖いというよりも、1960年代に製作ということもあり思いっきりローテクなので、ほのぼのとしていていて思わず笑ってしまいます。魔物たちも水木しげるの妖怪たちのようで親近感すら感じます。
この魔物たちの中に、ひときわ大きいヌリカベみたいな魔物、ヴィーがいます。垂れ下がった瞼を誰かに持ち上げてもらわないと物を見ることができないのですが、この目は何でも見ることができる目なのです。「瞼を持ち上げてくれ」というヴィーの頼みで他の魔物たちが瞼を持ち上げると、ヴィーはあっという間にホマを見つけてしまいます。

ホマ居所がわかった魔物たちのはいっせいにホマに襲いかかり、遂にホマを殺してしまいますが、魔物たちも一番鶏の声に気付かなかったため夜が明けてしまい、土の中に戻ることができず壁に貼りつき、美女も老婆の姿に戻り棺桶の中に戻ります。
これがあらすじなのですが、CGがない分、舞台劇を見ているようでとても新鮮で、水木しげるワールドのような感じも楽しい映画です。
